日銀が一心不乱に長期国債を買い続けた結果10兆円もの損失を抱えることに。明日は日銀による金融政策決定会合が行われる。このような状況の中で更なる量的緩和を行うのか?
株価維持のために続けられてきた異次元の量的質的緩和
ここにきて驚くべきニュースが流れた。それは無理をして買い続けた長期国債の損失が10兆円を超えており、その額は日銀の自己資本額を超えているというものだ。以下の報道を読んで頂きたい。
既に日銀は約10兆円の損失を抱えている
「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」で、日銀の損失は急拡大している。その最も代表的な事例が、日銀が「オーバー・パー」(額面を上回る価格)で長期国債を購入(買いオペ)することにより抱える損失である。例えば、日銀が額面100円の国債を市場から101円で買いオペし、償還満期まで保有すると、100円しか償還されないので1円損をする。
では、実際の長期国債に関する損失(オーバー・パー)はどのくらいか。まず、上記事例の額面価格(100円)に相当する長期国債の総額は、「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」から把握できる。
出典:Yahoo!ニュース
一般銀行ではBIS規制があるのにも関わらず
通常、一般の金融機関(ここでは銀行を意味する)自己資本比率の算出方法が最低基準(8%以上)などが定められいる。つまり、この段階で日本の銀行の「親分」である日本銀行は事実上、破綻したと言っても過言ではないのではないか。それはつまり現在の日銀は自己資本を超える損失(含み損)を抱えているからに他ならない。
民間銀行ならば直ちに経営危機に陥るのだが、ここは政府中央銀行。そうはならないらしい。
ならないらしいのは良いことだが、明日には結論が出るであろう金融政策決定会合での次なる施策をどのように打ち出すつもりなのだろうか。更なる量的緩和を実施すればソブリンリスク(国家に対する信用リスク)は高まるばかり。
対照的に量的緩和を行わずに、これまで行ってきた施策を見直すとしても金融市場には多大な影響が出る。
ここにきて日銀に外債を購入させようとしている日本政府
上記のように既に私を含むすべての日本国民にとって非常にリスキーな状況になってきているのだが、そのような状況の中で日銀に外国債券を購入させようとしているらしい。詳しくは下記の報道を見て頂きたい。
うわさの「火元」は安倍首相 「日銀の外債購入」はあるか
9月第3週の日経平均株価は、1万6519円で終了した。週間ベースでは2.63%の下落だった。日米の金融政策発表を前に積極的な売買が手がけにくいな か、売られていた銀行株が買い戻されるなど、ポジションを調整する売買フローがメインとなり、結局は方向感に乏しい展開となった。
出典:東洋経済
つまり政府は、いや市場も、更なる量的・質的・異次元の自虐的な施策が行われるのが当然であり既に市場は折り込んでいると。ここまで来ると日本政府は逃げ道がない。日本政府に逃げ道がないということは同時に日本国民にも逃げ道が無いことを意味する。
タイタニック号が沈没したように大きな船に乗っている私たちは船長に従うしかない。そして、その時を迎える。個人的には最後の最後まで最善を尽くしたいので考えられる施策は全て実行する予定だ。しかしながら、私みたいな小さな一個人にはその選択肢は限られている。とにかく、明日からの金融市場の動向には大注目だ。
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