5日に開幕したG20(ジートウェンティは、”Group of Twenty”の略)で、ついに中国が悲鳴を上げました。これまで上海株が暴落しても天津の工場が大爆発を起こしても、リセッション(景気後退)を各国から指摘されても強気だったあの中国が弱音(本音)を吐いたと言うのです。
「あと10年景気は厳しい」中国財政相がG20で“衝撃発言”の意味
世界経済を揺るがしている中国バブルの崩壊。上海株は6月のピークから4割も急落してしまった。この先、中国経済はどうなるのか。トルコで開かれていたG20で中国の楼継偉財政相がショッキングな発言をしていたことが分かった。4日の討議で、「中国経済は今後5年間は厳しい状態がつづく。10年間かも知れない」と説明していたのだ。
これまで中国政府は、どんなに景気低迷を指摘されても楽観的な見通しを強調してきたのに、「不況が10年つづく」と明らかにしたのだから驚きだ。中央銀行の周小川総裁も「6月にバブルがはじけた」と認めている。一体、何が起きているのか。
出典:ライブドアニュース
リーマンショック以降の世界経済のけん引役を務めていた中国が「5年から10年は厳しい」と発言したのですから、世界中の金融業界や経済界は大変なショックを受けたはずです。前回8月の暴落から株価は一時的な回復を見せたものの本日9月8日の日経平均株価は300円を超える下げ幅になっています。もはや、これ以上株価が上がるポジティブな要因は皆無だと言えます。さらなる強烈な下げが今月起こらなければ良いのですが。
中国は1か月に日本円で約10兆円以上の外貨準備金が消滅しています。
これは大変な事です。中国では毎月のように多額のお金が海外に流出しているという事になります。海外に資産や資金を急いで移している事になり、いよいよ中国が危ないと危機感を募らせた富裕層や企業が海外に逃避しています。
中国の外貨準備高大幅減 当局介入の結果か
中国の先月末の外貨準備高は3兆5573億ドルと、前の月から930億ドル余り(日本円でおよそ11兆円)の大幅な減少となり、中国経済の先行きへの不透 明感が強まるなかで、人民元の行き過ぎた値下がりを防ぐために金融当局が介入に動いた結果ではないかと指摘されています。
出典:NHKニュース
このままでいくと、更なる人民元の切り下げが行われる可能性もあり世界経済はいよいよ崖っぷちに立たされている事を意味します。今月、利上げに関して何らかの方向性や決断をしなければならないアメリカでは利上げが行われるのか、延期されるのかを世界中が固唾をのんで見守っています。中国からすれば、ここの段階でのFRBの利上げは強烈な打撃となりますのでG20で必死に訴えることにより、利上げを阻止しようと考えているのかも知れません。
アメリカが利上げをすると大変大きなショックが待ち構えています。
米国が利上げを実施すると
- 世界中の株式市場は前代未聞の大暴落。
- 世界中の資金と言う資金が米ドルに集まり結果的に猛烈なドル高になります。
- 円安が進むことによって輸入物価が高騰し結果的に物価高騰に繋がります。
- 現在、底を打っているとみられる銀行金利が上昇して企業の資金調達コストが上がります。
つまり、アメリカの独り勝ちという事になります。アメリカは絶体絶命の危機から一転することになります。対照的に新興国は大変です。それまで集まっていた外貨が米国に一極集中する事により自国の通貨は大暴落し、国民の生活は恐慌状態に陥る可能性があるからです。もちろん、日本も例外ではありません。可処分所得が減る中での消費税増税。それに加えて物価の更なる高騰ともなればインフレーションではなくスタグフレーションに突入する可能性が高いからです。
いよいよ来週には発表される可能性が高い米国の利上げですが、是非ともソフトランディングでお願いしたいところです。
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