今年に入り大企業の衰退ぶりが目立ち始めた。2016年以降の経済氷河期を生き残るのは大企業ではなく個人による小規模事業だ
環境変化に弱い大企業
2016年3月15日、海外ブランドを中心とした各種食料品の卸売り事業で有名な株式会社日食が大阪地裁へ自己破産を申請し、同日同地裁より保全管理命令を受けた。信用調査会社の帝国データバンクによると近年の急激な円安に伴う収益悪化や固定費増加などにより資金繰りは余裕がない状態が続き自己破産となったようだ。
同社のサイトを見ると2016年度も新卒社員を採用している。その人たちは入社式を迎えることなく転職をしなければならない。大企業は経営状態の如何に関わらず常に採用しており今回みたいな悲惨なケースが出てくる。経営サイドは自社の経営状態を把握している訳であり新卒採用を止めることにより信用不安になるのを避けたのだろうが採用される方はたまったものではない。
今後の就職活動は募集要項を見るだけではなく信用調査を行い財務状況もチェックしておく必要がある。上場していない中規模企業や大企業の財務内容は基本的には公開していないので信用調査会社からデータを購入するなどして調べるしか方法がない。
外部環境の変化に弱い大企業
今回の倒産要因のトップは円安による収益悪化とのことなので恐らく民主党政権時代には相当な高収益を上げていたに違いない。大企業は従業員数も多く巨大な組織なので経営環境の変化に対してスピーディーな対応をすることが困難だと言える。今回のようなケースはそれが如実に表れていると思う。
氷河期の時代に身体の大きな恐竜などの生物から絶滅していった。これは経済環境にも同じことが言える。大きな組織ほど環境変化に対しては弱い。これからの経済氷河期には小規模になればなるほど有利だと言える。小規模事業者のランニングコストは低く、環境変化に対してスピーディーな対応が可能。経済が右肩上がりのトレンドならば大企業が有利だが右肩下がりのトレンドではリスクが高い。それはシャープや東芝などの大企業の衰退を見ても理解できる。
これまでのセオリーは通用しなくなる
これまでの常識は今からの時代では非常識となっていく。例えば都会でビジネスを展開しなければ成功しないのではなく地方都市や田舎でのビジネスが成功する。巨大資本を持って強引に展開するよりも小規模な資金で独自性を追求する方が成功するなどである。大都会の一等地での商売はランニングコストが高いけれど地方都市で郊外というロケーションならランニングコストは低い。
ランニングコストが低いことは提供する商品やサービスにコストをかけることが出来るのだから高品質な物やサービスを提供することが可能。これは小規模な事業者になればなるほど重要なポイントだと思う。小規模事業者が大企業の戦略をまねしても失敗する。むしろ大企業とは正反対の戦略が必要となってくる。
正社員にはならない方が良い
サラリーマンは収入が安定しているから安心だと言う人をみかける。しかしながら正社員として働くということは収入源を1本にするということになりリスクが高い。経済成長期には終身雇用・年功序列賃金が日本企業のスタンダードな形だった。しかし、これからの波乱の時代にはあらゆる秩序が崩壊する。
仕事を二つ持つということは収入源も二つになるということを意味しており1つがダメになってももう一つが残る。日本の企業の大多数は副業を禁止していることから正社員になるイコール一つの収入源に依存することに繋がる。
なので、私は仮に現在の会社を清算したとしても正社員としてリスタートすることは考えていない。派遣やアルバイトで最低限の収入を得ながら週末起業で希望を見い出すことを選択するだろう。アルバイトは自分の時間をお金に換える行為であり給料も上限がある。なのでアルバイトは生活のための仕事。週末起業はやり方次第で飛躍的に伸びる可能性がある。同じ収入源でも週末起業には将来的な希望を持つことができる。
これまでの常識がこれからの非常識になる時代。複数の仕事を持つということもこれからは常識になるだろう。
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