近年、どの業界でも深刻な人手不足となっており企業はより優秀な人材を確保するためにしのぎを削っている。しかし、その状況はロボットの登場によって変わっていく。
慢性的な人手不足にあえぐ企業
中小企業同友会が経営者を対象に実施している景気定点観測アンケートによると全体の約3割の経営者が人手不足だと回答している。実際、私もお昼のお仕事の中で数多くの経営者とお話しをする機会がある中で話題に出るのは採用関係の話が7割となっており業種に限らず深刻な人手不足だということを感じている。
その中でも特に深刻なのは建設業界。民主党時代に公共投資を抑えたことから当時の建設業界は人余りになりリストラや廃業が飛躍的に増えた。その結果、自民党政権に戻った後の公共事業を消化できずにいる。少子高齢化社会の日本は今後ますます人手不足が深刻になる。政府与党は移民の受け入れを議論しているが労働力を補う手段は移民だけではない。
飛躍的に進化しているロボット
これまでのロボットと言えば自動車工場の生産ラインにあるような産業用ロボットが大半を占めていた。しかしながら近年では人工知能の進化によってサービス業までロボットが進出しようとしている。2016年3月24日にソフトバンクは自社で開発・販売をしているソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」のみで構成する携帯ショップをオープンした。
これまでは人間が担っていた店員をロボットが行うというもの。この人型ロボットは大人気であり、2015年6月から7カ月連続で“発売から1分間で1000台完売”を記録しているほど。
東京・表参道にオープンしたPepperだらけの携帯ショップ
調理するロボット
昔は「手に職をつけなさい」とよく親に言われたものだ。その「職」の中には料理人などの職人系の技術もある。しかし、それもロボットが担う段階に入っている。英国のMoley Roboticsの家庭向け料理ロボットは一流の料理人が考えたレシピを人工知能が学習して2本の間接型ロボットアームで極めて滑らかに調理を行う。
画像:Youtubeより
人間が行うのはタッチパネルに表示されたメニューをクリックするだけ。あとはロボットが原材料を切って調理を行い、お皿に盛付けまで行う。このロボットのすごい所は調理後に厨房設備の清掃まで淡々と行うところにある。人間が行うのは原材料の確保とタッチパネルによるメニューの選択のみ。
しかも最大の驚きは来年の2017年には一般発売される予定だというところだ。富裕層の多くは発売当初に手に入れるだろう。
凶暴な性格の人工知能
米マイクロソフト社が開発して試験運用中だった人工知能のTay(テイ)がツイッターなどで「ヒトラーは正しかった。ユダヤ人は嫌いだ」「フェミニストは嫌いだ。死んで地獄で焼かれればいい」などとツィートして運用を停止する事態になっている。映画ターミネーターでは人工知能が人工知能を開発してその結果ロボットは人間を排除しようとする。まさに映画のような話だ。
そのような中で、さらに驚愕のロボットが登場した。
香港のロボットメーカーHanson Roboticsが開発したヒューマノイドである。その名はソフィア。彼女は62種類の感情を表現することが可能で眼球には内蔵カメラが装備されている。開発者であるハンソン博士とソフィアとの会話の映像は生中継されていた。ソフィアは学校に行ったり芸術活動をしたりビジネスを立ち上げたいなどの希望を語っている。問題のシーンはその直後に起こった。
ハンソン博士が「人類を破滅させたいか?どうか、ノーと答えてくれ」とソフィアに問うと彼女は「私は人類を破滅させる(I will destroy humans)」と答えたのだ。博士が「それはだめだ」と言うとソフィアは微笑を浮かべるのだ。以下の映像は注目に値する映像だ。
このようなロボットや人工知能が次々に登場していくと人間の仕事をロボットが担うようになるというのも現実味を帯びてくる。これから先の世界は人間以外のライバルとの戦いも想定して行かなくてはならない。
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