実体経済は深刻な不景気なのにも関わらず「緩やかな回復基調が続いている」と言っているのは日本政府と日銀だけ。
繁華街に人がいない
今年に入り私がお店をやっている政令指定都市の繁華街は人通りが少なく路面店の多くは売上の低迷に苦労している。私は毎日のように繁華街で商売をしているので景気を肌で感じる事ができる。明らかに今年に入り深刻な景気後退が進んでいると肌で感じている。
景気が回復していると言っているのは政府と日銀だけ
日本政府と日本銀行は実体経済がここまで深刻に落ち込んでいるにも関わらず「景気は回復している」と言い続けている。
景気「緩やかな回復基調が続いている」政府判断
政府は1月の月例経済報告で景気の現状について「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とした。また「消費者物価は緩やかに上昇している」としている。
景気の先行きについては「雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される」との見方をしている。
出典:財経新聞
黒田日銀総裁、国内景気「緩やかな回復続ける」 支店長会議
日銀は18日、東京・日本橋の本店で全国各地の地域経済を報告する全国支店長会議を開いた。黒田東彦総裁は冒頭のあいさつで、国内景気について「輸出、生 産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている」との認識を示した。先行きについても「緩やかな回復を続けていく」とした。
出典:日本経済新聞
今の現状で一体どこが回復基調となるのか。ここまであからさまだと何がなんでも景気が回復していると言い続けて株価を上げるのが彼らの目的なのではないかと考えてしまう。しかし残念ながら実体経済は下がり続けている。
景気動向調査ではどうなのか
2016年2月3日、信用調査会社である株式会社帝国データバンクでは「TDB景気動向調査」のプレスリリースを発表しています。そのレポートのタイトルは下記の通り。
国内景気は急落、大寒波が追い打ち~ 1年5カ月ぶりに10地域すべてが悪化 ~
このレポートによると調査対象である10業界のうち9業界で急落しているとのこと。さらに規模別のデータにおいても全ての規模で急落。小規模になればなるほど深刻な状態に陥っている。このレポートは自分で何らかの商売をしている人は必読のレポートといえる。
出典:帝国データバンク
このレポートの内容は私が毎日のように見ている繁華街の景況感を正確に表していると思う。肌では感じていたもののデータとして見ると改めて深刻なリセッションに突入しているのがわかる。
超低空飛行を強いられる
このような状況の中で景気が回復していく「要因」が皆無だということを理解しなくてはならない。まだ金融危機を迎えていない現在でも相当に厳しい状況だということだ。これからは無駄なインフラを整理して売上額より利益率を高めて超低空飛行で嵐が過ぎ去るまで耐え忍ばなくてはならない。
当ブログを読んでいる人の中には飲食店を経営している方もいると思います。ここ最近ホットペッパーなどの集客ツールに広告を出しても満足するような集客が得られない状況になっていませんか?人々の多くは将来的な不安と物価高騰や増税によって外食を控えざるを得ない状況だということです。
高所得者でも最近の株価低迷によって含み損が拡大しており、真っ赤になったポートフォリオを見て繁華街に繰り出そうとする人は少ないのではないか。現に私のお店に来ていた人で株式投資の話をしていたお客様は来店しなくなっている。
リーマンショックの時を思い出すと今よりもマシだったと記憶している。深刻な構造不況が日本を襲っている。
この記事へのコメントはありません。