2016年の年明けは株価急落で幕開けとなった。株価と一体のアベノミクスがいよいよ終わりを迎えるのか
売り戻りがない相場
戦後では初となる大発会から6営業日連続での株価の下落。13日には売り戻りと見られる上昇があったものの翌日の14日には600円を超える下げを記録している。これは前夜のNY市場の株価急落が起因している。下がり続ける原油価格、衰退している中国経済、世界の景況感を示すバルチック海運指数が大底を目指していることなどから株式市場から安全資産に資金が大移動を始めたのが伺える。
個人的には年初の株価急落を冷静に静観していた。それは急落して割安感が出始めると必ず「売戻し」という買い相場になるから。しかし、どうやら今回は様子が違っていることに気づいた。
株価が上がる要因がない
このような状況になると、よほどの要因がないかぎり株価が上昇することはないとみて良いだろう。ここから先は墜落して行く飛行機のように右往左往しながら大底を目指して突き進んでいく。リーマンショック以降、日本を含む世界中の中央政府が量的緩和によって破綻を先延ばしにしてきたのだが、もはや限界に近づいているとみて間違いない。
私のお店にもアベノミクスの恩恵にあやかった株式投資家もお客様として頻繁に来ていたのだが今年に入って姿を見ることはなくなった。証券会社の担当者も連絡かつきにくい状況。これからどうなるのかを心配する顧客の対応で多忙なのが見えるようだ。
とにかく世界中の金融市場は改善する要因が皆無。だから株価が上がることはない。
アメリカは利上げを続けるのか
昨年2015年にアメリカは利上げを実施した。根拠としては自国の経済状況が改善されているとのことですが実体経済は決して改善などしていない。改善どころか低利の自動車ローンで低所得者にSUVなどの高級車を売りまくり第2のサブプライムローンを作っている。
株価が下がり続ける中で2回目の利上げをするというのは非現実的な施策。米国初の黒人大統領であるバマ氏の任期中に経済崩壊をさせたいと意図しているなら話は別だが。
年金資金を全力で投入するだろう
年初の株式市場で数兆円規模の損失を出しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)だが、このことに関して菅義偉官房長官は記者会見にて短期的な損失はやむを得ないと発言している。つまり、短期的には株価が下落するものの長期的には回復し、上昇すると政府は考えている。
世界的な大不況の嵐が迫っているにも関わらず能天気なコメントだが政府はそのように言うしか選択肢がない。私たちの積み立ててきた年金の大半は暴落する株式市場と連動して損失を出し続けていく。このような状況になると自分自身で自己防衛をしていくしか老後の地獄を回避する方法はないとみていい。
夏には参議院選挙をを控えており株価を下げる訳にはいかないのが自民党の考えだ。選挙のために年金を溶かす。これが今の政府のやり方ならば、福祉に期待することを今すぐやめて自分自身の行動と努力によって老後を安心なものとしていく必要がある。
世界的な大波を生き抜くために
ここから先はサバイバルな環境が待ち構えている。私を含めて大多数の人間が世界的な大波に飲み込まれていく。当ブログでは老後に関しての記事が多いのだが果たして私たちは無事に大波を乗り越えて老後を迎えることができるのだろうか。年金云々どころか、この数年間を生き抜いて行くことができるかどうか。
去年までの世の中と今年はまったく違った環境で生きて行くことになる。緊張感を持ち覚悟を決めて全力で生きて行かなくてはならない。サバイバルをしていく上で最も重要なのは身軽になることである。会社も個人も余計なインフラを整理して身軽にしておかなければ大波が来た時のダメージに大きな差が出てくる。
このような時代は消費カロリーを減らして耐えていく必要がある。
そしてまた、サバイバルで重要なのは強い絆で結ばれた家族や仲間の存在である。お互いが助け合って生きていかなくてはならない。どのような状況になっても最後は人である。厳しい時代だからこそあらためて人の大切さを認識しなければならない。
量的緩和バブルの崩壊はまだ先
株式市場が大荒れだと言っても今の状況はまだ序の口。本格的に量的緩和バブルが崩壊するのはまだ先の話である。2008年以降に世界中の中央銀行が実施してきた量的緩和は天文学的な数字となっており、このバブルの崩壊は世界中の金融市場の崩壊を意味する。崩壊の最後は国債の金利上昇となり貨幣の価値は紙切れ同然となる。ここから再スタートするというのが量的緩和バブルの崩壊。
今の状況はまだ序の口なのである。
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