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週末起業でたこ焼き屋

最終日の営業でわかったこと

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昨晩の30日は2015年最後の営業日。そこで気づいた重要なこと。

数人にしか伝えていなかった30日の営業

昨晩の30日は週末起業のたこ焼き屋2015年最終営業日でした。飲食店では年末年始の営業日を店内に掲示しているのが一般的。しかしながら私のお店は年末年始のアピールの類は一切ない。年末に来店されたお客様の中で年末の営業日を聞かれた方だけに伝えているくらい。つまり、ほとんどの人は私が30日に営業することを知らない。

来客数ゼロを予想していた夜

昨晩の繁華街は年末の最終局面を迎えていることもあり盛況な賑わいを見せていた。頬を赤らめご機嫌さんで歩く人々を横目に近くのコンビニにネギを買いに行く。ほとんどのお客様は30日に営業していることなど想像もしていないだろうから来客数は極めて少ないことは想像できたが、万が一のことがあってはならないので食材には余裕を持って営業をスタート。

19時のオープンから約1時間。予想通り誰も来ない。

予想通り、開店後1時間を経過しているにも関わらず誰一人としてドアを開ける人はいない。仲の良い隣のスタンドも休みに入っており、本当の意味で独りぼっちの時間を過ごすことに。厨房の椅子に長時間は座れない。腰が痛くなるからである。ついに業を煮やして客席にポジションチェンジ。読書をしながら独りひたすら客を待つ。つくづく飲食店は「待ち」の商売であることを実感。性格的には待ちの商売は向いていない。はやく時間が過ぎてくれないかと本気で考え始めた頃にドアが開いた。

感動的な来店

ドアが開いて入ってきたお客は最近く来てくれるようになった若い女の子。「もしかしたら開いているかと思ってチェックしに来たら看板がついていたので入りました!」これには飲食店冥利に尽きました。わざわざ開いているかをチェックしにきてくれたのですから。実は、私の狙いはこれだったのです。今月12月はとても忙しくさせて頂いたけれど、それが季節柄の一過性な現象だったのか、それとも本当の意味で実力がついたのか。それを検証する意味があったのです。

その女の子にたこ焼きを焼いていたら今年最後のお客様が来店。それは私のお店がある繁華街で有名な不動産会社の社長とお友達。この社長も女の子と同様にお店が開いているかチェックしに来てくれたらしい。お店はいつも通りの賑わいになり一時的にも忙しくさせて頂いた。

欲が出ないかと聞かれハッと気づく

この不動産会社の社長さん、生ビールを呑み、たこ焼きを食べながら満面の笑みをうかべながら私に聞いてきた。

大将、こんな立地条件に店を開いて数か月程度で街の噂になり繁盛していると欲が出ないか?

このように聞かれて最初は意味が解らず「へ?」みたいな感じでしたが次の瞬間には理解できました。路面店を出さないかというお誘い。この会社は繁華街中心部に約10棟のテナントビルを所有し管理会社としてのシェアは繁華街ランキング第二位。そんな社長さんが話を続けます。

私のテナントに入っているお店の半分以上は私自身がスカウトしたお店。他の業者からの仲介は入念に与信をかける。とにかく商売は人間性とセンス。そこを見極めることが繁華街中心部の不動産会社の仕事と言っても過言ではない。いくら入居率を高めても退去率が高くては意味がない。私はこのようなポリシーでこの街を生き抜いてきたんだよ。

正直、そんな社長さんからオファーを頂くなんて夢のようです。「来年には考えてみます」と答えたら社長さん大喜び。最後にとても嬉しいプレゼントをもらった気分で片づけに入ることができて大変満足な最終営業日です。路面店ではなく、テナントビルの2階。日曜祝日と木曜日は店休日。そのうえ3時間しか営業しない。そんなたこ焼き屋は開業後8カ月目にして、ややこしい繁華街の世界で業界2位の不動産会社の社長からオファーを頂くことができた。今年は本当に充実した1年間だったとしみじみ噛みしめながら帰路につくことができたのです。

週末起業のたこ焼き屋なんてブログを読んでくれるあなたに感謝しつつ新年を迎えたいと思います。

来年度も楽しみながら成長して行きたいと思います。良いお年を。

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