以前、書いた記事の丁寧な調理でも書いているのですが、たこ焼きの調理と一言でいっても奥が深いものです。お店の形態やシチュエーションによっても調理方針が異なり、それぞれの調理法が存在します。路面店で単価を抑えて客数を多くしなくてはならないお店の場合は、一度に大量のたこ焼きをスピーディーに焼く必要があります。この場合、たこ焼きをすばやく回転させて焼き上げていきます。リズミカルで機敏な動きは、調理を見ているほうも楽しくて対面販売の醍醐味とも言えます。
和食でも洋食でもお好み屋でも、たこ焼き屋でも素材は同じでも調理法によって味は変わります。
対照的に、私のお店は丁寧にじっくりと焼き上げる調理法を行っています。最後の仕上げの部分は最大火力でスピーディーにピックで回転させますが生地を銅版に流し込んで、たこ焼きの形が形成されるまでは丁寧にゆっくりと調理していきます。最初のうちは馴れていない為に、銅版から生地が溢れてしまうことも多々ありましたが最近では生地が溢れる事はほとんどありません。
たこ焼きは、焼くのではなく炒る。
たこ焼きは中華料理みたいに、超高温で過熱していく料理です。ですので、少し気を抜くとすぐに焦げてしまいます。特に、生地を流し込んで最初に生地を切りながら回すタイミングを間違えると修正が不可能です。最初と最後だけは、生ビールを注ぎに行くことも出来ないので、私のお店では「これから調理に入るので飲み物のご注文は今お願いいたします。」とお客様にお伝えしてから焼く作業に入ります。
ぷっくりと膨れて、茶色がかったたこ焼きは本当に美味しくて思わず唸るほどです。これからもっと努力してお客様の「小さな幸せ」を作っていきたいと思います。
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