昨晩はオープン当初より、大企業の役員の方や政治家の方などインパクトの強い人達で賑わいました。その後もご常連様などでラストまでたこ焼きを焼き続け、生ビールを注ぎ続けました。それに伴い売り上げも最近の中では最も高額でした。ありがたいことです。さて、過去記事でマイナンバー制度と副業という記事を書きましたが今回は第二弾です。
いよいよマイナンバー通知カードが届きます。
水商売をされている方々の中には副業が会社にバレるのではないだろうかと戦々恐々となっている人も多いと思います。そのような中で、いよいよ個人番号が記載された郵便物が書留で送られてきます。この通知を受け取った瞬間から様々な義務が発生します。
- 紛失したときは、直ちに役場に届け出をしなければならない。
- 移転転入手続には、個人番号通知カードを提示しなければならない。
- 通知カードに記載された事項に変更がある場合は、14日以内に役場に届け出なければならない。
これは受け取ったら発生する義務であり、受け取らない場合は義務付けされないのです。マイナンバー制度に関しては色々と詳しく調査してみましたが私個人としては全く何のメリットもありません。メリットが無いばかりか不利益な事ばかりがマイナンバー制度によって発生します。ホステスさんなども昼間のお仕事で会社にマイナンバーを教えるように言われるでしょう。何故マイナンバーを教えて欲しいと会社が要求してくるのかと言えば税務署に提出する支払調書に従業員のマイナンバーを記載するのが義務付けられたからなのです。しかしながら、この義務付けですが罰則が無いのです。支払調書に絶対にマイナンバーを記載しなくては税務署が受け付けてくれないかと言うとそうではありません。
マイナンバーを記載せずに法定調書・源泉徴収票を税務署に提出できるか
マイナンバーの「通知カード」による通知を平成27年10月に控え、新聞報道等では企業の対応の遅れが危惧されています。実際、完全に対応を終えている企業は少ないように思います。また、どれだけ対応を行なっても無くならない問題があります。それは、マイナンバーを従業員、取引先から入手できない場合にどう対応するかという問題です。
その点については、国税庁HPの「社会保障・税番号制度FAQ」の中に「国税分野におけるFAQ」が掲載されており、参考になります。 https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/kokuzeikankeifaq.htm
そのFAQによると、「申告書や法定調書等の記載対象となっている方全てが個人番号・法人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号・法人番号を記載することはできませんので、個人番号・法人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。」とされています。
さらに、マイナンバーの不記載や記載誤りについては、「申告書や法定調書等の税務関係書類を税務署等に提出する際に、個人番号・法人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は、税法上設けられておりません」とされています。
FAQの解説は「個人番号・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出をしてください。」と続けられていますが、マイナンバーの記載は義務ではあるけれど罰則はないということです。
その上で、「従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか。」という問いには、
「法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。」
との回答が掲載されており、経過等の記録は当局からのお願いとなっております。
つまり、マイナンバー制度を順守しなければ制裁措置が行われるという事はないのです。ですので水商売をされているホステスの方は今まで通りお店から給料を受け取り、マイナンバーをお店に伝えなければ良いのではないかと思います。例えばお店の個人番号の管理に疑問があり不安なので私のマイナンバーをお伝えする事は出来ない等の理由でマイナンバーを伝えないケースもあるのかと思います。受け取ってもリスクがあり、第三者に伝えてもリスクがあるマイナンバー制度ですが個人も企業もなんのメリットも無いばかりかデメリットばかりが目立ちます。
私は経営者として従業員のマイナンバーを知りたくありません。
企業が従業員のマイナンバーを知った瞬間から非常に厳しい管理義務が課せられます。内閣官房のページを確認してみると下記のような制裁措置付きの義務が生じてきます。
〔民間事業者や個人も主体になりうるもの〕
主体 | 行為 | 法定刑 |
---|---|---|
個人番号利用事務、個人番号関係事務などに従事する者や従事していた者 | 正当な理由なく、業務で取り扱う個人の秘密が記録された特定個人情報ファイルを提供 | 4年以下の懲役 または 200万円以下の罰金 (併科されることもある) |
業務に関して知り得たマイナンバーを自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供し、または盗用 | 3年以下の懲役 または 150万円以下の罰金 (併科されることもある) |
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主体の限定なし | 人を欺き、暴行を加え、または脅迫することや財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為などによりマイナンバーを取得 | 3年以下の懲役 または 150万円以下の罰金 |
偽りその他不正の手段により通知カード又は個人番号カードの交付を受けること | 6か月以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
|
特定個人情報の取扱いに関して法令違反のあった者 | 特定個人情報保護委員会の命令に違反 | 2年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
特定個人情報保護委員会から報告や資料提出の求め、質問、立入検査を受けた者 | 虚偽の報告、虚偽の資料提出、答弁や検査の拒否、検査妨害など | 1年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
※ このほか、国外犯に関する罰則や、両罰規定も規定されています。
これは中小零細企業において新たな管理コストが発生する事を意味します。更にいうと給与計算に関与している全ての関係者(税理士や社会保険労務士など)も同様の義務を負う事になりますので、その影響は膨大です。果たして従業員のマイナンバーをどのように管理していくのか。紙で残すのかデジタルで残すのかなど様々な課題が出てきます。このハイリスクなマイナンバーの運用に成功しても企業には何の利益も発生しません。仮に従業員が会社側にマイナンバーの提出を拒否したとしても税務署からはマイナンバーの紛失を疑われます。国税局のページにはその部分も解説されていました。従業員がマイナンバーの提出を拒否する場合には「義務であることを伝える。」それでも拒否されたら理由と経緯を記録しておけと。記録していない場合は、管理者責任を問われますよと書かれていました。
国民の半数以上が最初のマイナンバー通知を受け取らなかった場合はマイナンバー制度自体が成立しない事を意味します。デメリットばかりのマイナンバー制度ですが、どのようになるのか。動向を注意深く見守っていきたいと思います。
本日は土曜日。張り切って行きたいと思います。
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