ついに超大型連休が終わりを告げた。
そして、この次はリーマンショックならぬ「令和ショック」の序章になりうることに気付いている飲食店の店主は全国に一体どれくらいの数いるだろう。地方の政令指定都市の歓楽街に飲食店を3店舗ほど経営している私には幸いにも非常事態が目の前まで来ていることを理解している。
先日、近隣の同業者に軽くこの話をしてみたが「令和ショックが目前に迫っている」認識が全く無い。彼等が認識しているのは「連休明けは毎年のように暇になるかな」このような認識である。だが現実は違う。そのように楽天的に考えられるほど迫り来る「令和ショック」は決して甘くは無い。
当ブログを読んでいる人で飲食店を経営している人が一体どれくらいの人数いるのかわからない。でも、もし偶然にも当記事を読む「ご縁」があった人がいるならば頭の片隅にでも今回の記事の内容を憶えておいてほしい。そして、まだ間に合うならば早急な対策を講じたほうが身のためだ。
まず以下の報道を見てもらいたい。
IMF、世界成長見通し3.3%に下げ 急悪化なら協調対応必要も
[ワシントン 9日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は9日発表した世界経済見通しで、2019年の成長見通しを3.3%とし、1月時点の見通しから0.2%ポイント引き下げた。予想通りなら成長率は16年以来の低い伸びにとどまる。
IMFは貿易摩擦のほか、英国の欧州連合(EU)離脱が混乱する可能性に言及し、成長率がさらに鈍化する恐れもあると指摘した。
主任エコノミストのギータ・ゴピナート氏は記者会見で「世界経済は微妙な時期にさしかかっている」とした上で、景気が急激に落ち込んだ場合、各国が協調して刺激策や金融緩和などの政策対応を強いられる可能性があると警告。すでに中国やドイツなどの国々では短期的な措置が求められるかもしれないとした。
見通しの引き下げは昨年10月以降で3回目となる。
20年の成長見通しは前回から改定せず3.6%だった。
19年に経済成長が鈍化する理由は、先進国の混乱が3分の2を占める。IMFは「経済活動に打撃となるような失政を避けることが優先事項だ」と強調した。
https://jp.reuters.com/article/imf-worldbank-outlook-idJPKCN1RL25M
この記事は2019年4月10日に配信されました。上記の記事を読んで私たち日本国民として1つ大きなテーマを感じ取ることが出来ます。
IMFは「経済活動に打撃となるような失政を避けることが優先事項だ」と強調した。
この部分です。
つまりこの記事はリーマンショック直後よりも世界経済の景気は悪い数値を示しているということを意味しており、その上でIMFは「失政を避けろ」と言っている。ここで言う「失政」を私たちが住んでいる日本で思いつくキーワードはあるのか?
ありますとも。
それは2019年10月1日に施行が確定している消費税増税です。
先日、自民党の萩生田光一幹事長代行が2019年4月19日に「6月度の日銀発表の短観を考慮したうえで消費税増税を検討したほうが良い」とネットの番組で発言しています。なにやら意味深です。2019年の6月に何が起こるのでしょう?
そして、今週になって驚愕の記事を目にすることになります。以下は引用。
安倍政権、増税延期どころか「消費税5%に下げる」案が浮上
補選での2敗など求心力に陰りが見えた安倍晋三首相にとって、夏に控える参院選必勝の切り札とされるのが3回目の「消費税増税延期」説だ。
安倍側近も「景況感次第で延期もあり得る」(萩生田光一・幹事長代行)と示唆しているが、有権者も同じ手には引っかからない。
そこで浮上しているのが消費税率を5%に引き下げる消費税減税というサプライズである。
NEWSポストセブン:https://www.news-postseven.com/archives/20190423_1357836.html
普段ならば、このような記事を目にしても「あぁ、いつもの政権批判の記事かな」と思うところだが今回は違う。今や日本経済も世界経済もリーマンショックを超える非常事態に突入することが「確定」であり、そのタイミングが目前に迫っている。ここまで来ると政権与党も財務省の言いなりで増税している場合ではないと考えるはずだ。
さて、話を地方都市の私が経営する飲食店に戻そう。
今月に入り私のお店に来店していた「前半のお客様」がぱったりと来なくなった。
私のお店で前半のお客様は上場企業のサラリーマンや中規模起業のサラリーマンのことを指す。
3月末まで、一週間に2階程度も来店してくれていた上記のお客様が全くと言って良いほど来店しない。4月の2週目あたりまでは「あぁ、史上初の10連休に向けて節約しているのかな」と安易な考えですごしていた。しかし、あまりに来ないので何かあったのかと調べてみて呆然とした。
ここでは参考となる記事の引用は控える。削除される可能性が高いと考えるからだ。
つまり「働き方改革」で大企業から中規模起業や小規模企業まで年間の残業時間が約360時間、1か月間の許容残業時間が約45時間と規制が入ったのだ。不覚にも私はこのことを知らなかった。飲食業の現場仕事に没頭するあまり気付かなかった。
その事実を知ったのはつい先日のこと。
いつも来ていた上場企業のサラリーマンのお客様が来店した際に「いゃぁ、大将。来たかったのだけど残業規制で大変なんだよね」一体この話はなんだろうと思い「えっ?何の話かな」と思わず聞き返した。
そのお客様いわく「残業が出来ないけれど仕事はある。だから早朝に出勤して帳尻を合わしているんですよ」と言うのだ。これでは無給で働く事となり「働き方改悪」と言っても過言ではない。実質賃金は減るわ、早朝出勤しなくてはならないので夜に外食することも出来ない。どうりで、4月に入り様子がガラッと変わった訳である。
さらに5月から生活費地需品を筆頭に様々な商品の値上げが実行されている。このことに関しては「5月 値上げ」などのキーワードで検索してもらえたらわかるだろう。
以下はこの2019年5月から私たちのような地方の小規模飲食店に降りかかる悪要因となる。
- IMFがリーマンショック当時を下回る世界経済の低成長率を今年に入り3回目の修正において発表。
- 今回の10連休において非正規雇用の人達の収入が一次的に激減。
- 働き方改革法の施行によって大企業から中小企業までのサラリーマンの収入が激減。
- 2019年5月よりあらゆる物価価格の高騰。
上記の要因によって、恐らく私のお店もゴールデンウィーク明けから「出口」が無い閑散期を迎えるだろう。このような状況になると、あとは「体力」勝負となる。ここで意味する「体力」とは資金力を意味する。
この令和ショックを乗り越えられるか?それは神のみぞ知るところとなる。
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