誰もが予想していなかったイギリスの国民投票によるEU離脱の結果。その結果、リーマンショックを超える暴落となったが、その後は持ち直している。
2016年6月23日にイギリスの国民はEUからの離脱を選択した
6月23日は世界中の投資家にとって予想外の展開となった。世界中の株式市場の中でも日本市場は1000円を超える暴落となり膨大な含み損を抱えた個人投資家も少なくない。
今現在はEU離脱ショックから回復しつつある株式市場たが果たしてこのまま平安な市場が続くのだろうか。
参議院選挙までは何としてでも買い支えていく
日本では2016年7月10日に参議院選挙が行われる。政府与党は投票日までは何としてでも株価を買い支える施策を実施しているのだろう。
年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)の年金資金は暴落前の株式市場に大量に投入されている。つい先日もGPIFによる株式投資運用実績がマイナス5兆円となっているという報道があった。
今年の運用実績の公表は参議院選挙後となる。
最近の報道ではGPIFの運用によって発生した損失額ばかりがクローズアップされているが、背後にはもっと重大な問題が存在する。GPIFは国民が納付した年金を運用している機関である。
全国民から預かっている年金資金の中から給付額を差し引いた資金を株式市場に投入している。年金資金は巨額だが無限ではない。
これから起こるであろう株式市場の大暴落によってGPIFは巨額な含み損を抱えることになるのだが問題は支給額の資金が不足するタイミング。
いくら含み損が出ても年金が正常に支給されている段階では直接的に国民に影響はない。しかし、支給する資金が枯渇してくるとどうだろうか。GPIFはやむを得ず資産である株式を売却して支給資金を捻出していかなくてはならない。
つまり、これまでは株式市場を買い支えてきたGPIFが今度は更なる株式市場暴落に手を貸す結果となるのだ。そうなれば暴落に歯止めがかからない最悪の状況に突入する。
イギリスのEU離脱による暴落は飲食業界を直撃している
私が副業で経営している週末起業のたこ焼き屋は天候等に売上が左右されない状態にまで成長させて頂いている。が、しかしイギリスのEU離脱ショックの当日から先週末までの客足は少ないものとなっている。
飲食仲間にも聞いてみたが一往に同じような結果だ。世間ではボーナスが支給され給料も支給されたタイミング。そんな絶好のタイミングで繁華街の飲食店は閑古鳥状態。これは天候などの理由ではないことは明らかだ。
それだけ金融市場の影響は大きい。ただでさえ格差が広がり実体経済も脆弱な中で世界的な金融ショックは不景気をさらに加速させる。昨晩も同伴で来店されたカップルが将来が不安だと話していたのが印象的だった。
今回のイギリスショックは大きな影響があったが、金融市場の大混乱はこれから始まる。
株式市場の大暴落に備える
いよいよ今週末に参議院選挙の投票日がやってくる。選挙当日まで必死に買い支えてきたGPIFも資金的な余力が無くなっている筈だ。これから日経平均株価が18000円や19000円台に回復する可能性は株価引き上げの要素が無いのだから限りなく低い。これからの金融市場は円高・株安の状態が続くと予想される。
なので私個人としては中期の投資として日経ダブルインバースを買って同時にドルを売った。
昔と違い、今現在は金融市場の混乱が実体経済に与える影響は大きい。近年、盛り上がりを見せているインバウンド消費や民泊などの外国人向けビジネスも円安だったから盛り上がった。これからは円高傾向になるので経済的に裕福な人たちしか日本にやってこない。インバウンド消費は当然ながら飲食業界も関係している。
日本国債の暴落はあり得るのか
日本は既に異次元の量的緩和やマイナス金利政策など無謀な施策を実施している。このままの状態で国家財政を運営し続けることは不可能であり、いずれ日本国債は暴落をすることになる。こんな事を書くと「そんなことになる訳がない」と思う人が大多数だろう。しかし、理論上は大きなリスクを抱えたままで国家運営を行っている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジストである植野大作氏が日本国債「暴落」は杞憂かというコラムを書いている。
このコラムにおいて転載する下記の部分に私は共感している。
日本の財政破綻による「国債暴落リスク」は、これまで数多くの有識者が指摘してきた。今まで実際には起きなかったため、日本の放漫財政に警鐘を鳴らす人々は、財政拡張論者からは無用の悲観論を唱える「杞の国の人」だと思われている。
ただ、それを承知であえて言うなら、そろそろ危ない時期が近づいてきている可能性を意識しておくべきではなかろうか。
これからの時代は激動の時代となる。これだけは確かだ。
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