右肩上がりに給与が上がらない時代に副業は大切な収入源となる。最近では大企業も副業を認める企業が増えてきている。
副業制度をスタートさせたロート製薬
大阪府大阪市生野区巽西に本社を置くロート製薬株式会社は今年に入り正社員の副業を認めた。この副業制度が適用されるのは勤続3年以上の日本国内の正社員が対象だという。ロート製薬は東証一部上場企業であり大企業。その大企業が副業を認めるというのだから社会に与える影響は大きい。
このニュースについてインターネット上では「日本全国の中小企業にも副業解禁の流れが出てくるのを期待している」や「大企業でも一生涯の安定は得られないということだ」など様々な意見が出ていた。
ロート製薬の山田邦雄会長兼最高経営責任者は副業による経験が社員のスキルアップに繋がり結果的に会社のためになると記者会見で語っている。
法律上は会社が副業を禁止することはできない
そもそも副業を禁止している会社は何を根拠に禁止と言っているのか。それは従業員が10人以上の会社には制作が義務付けられている就業規則となる。どこの会社の就業規則にも「兼業の禁止」という項目があり副業を禁止する内容が書かれている。
しかしながら副業を禁止する内容の文言は労働基準法には存在しない。それどころか就業規則に兼業の禁止を明記することは日本国憲法第22条の職業選択の自由に違反していることになり法律違反どころか憲法違反ということになる。
つまり常識的な範疇において人は自由に副業することが可能だということだ。ここでいう常識的な範疇とは例えばローソンの社員がセブンイレブンでアルバイトするなどのことを意味する。
上がらない給与の中で生活を余儀なくされる
高度経済成長期やバブル時代には大企業から中小企業まで正社員の給与は右肩上がりに増額されてきた。勤続年数が長ければ定年までに所得は増え続けていく。そのような経済環境の中では副業など考える必要はない。しかしながら、現在の状況は一変しており定期昇給はスズメの涙ほどであり中小企業においてはボーナスも出たり出なかったりが現状。そのような状況の中で増税や社会保障費の増額である。
政府与党は衆議院予算委員会において就業者数が増加していると胸を張っていた。それは単に多くの国民が貧しくなっているために、これまで専業主婦をしていた奥様も仕方なくパートやアルバイトをしなくてはならなくなっただけなのではないかと私は考えている。つまり非正規雇用が増えているだけ。さらに来年の4月には消費税増税が待ち構えており現行の8%から10%になる。家計はますます貧しくなる。減った収入や増えたコストは節約してカバーしていく。しかし、節約も限界があり収入を増やす何らかの手段が必要となる。その手段の一つが副業となる。
正社員で副業可能な会社はどれくらいあるのか
では実際に正社員で副業可能な会社はどれくらいあるのか。試しにリクルート社が運営しているタウンワークで検索してみた。検索地域は東京都。その結果490件ほどの案件がヒット。想像していたよりも少ない。これが地方都市ならば数十件から数社程度かもしれない。ちなみに米国では副業禁止している会社は皆無に等しい。警察官や消防士なども副業可能。
対照的に日本は副業を禁止している会社が全体の50%を超える。給与は上がらず副業も禁止とくれば残された副収入を得る手段は株式運用くらいしかないのではないか。よく株式運用を副業と言っている人をみかけるが株式運用は投資であって副業ではない。副業とはアルバイトなどの労働で稼ぐか小規模なビジネスを立ち上げるかだと思う。
繁華街は副業だらけの街
繁華街は副業だらけの街といえる。キャバクラで働く若い女の子の多くは昼間の仕事を持っており夜は副収入源としてのアルバイトといった人が多い。もちろん本職として働いている人もいるけれど半分以上が副業なのではないだろうか。繁華街で商売をしていると様々な人から副業についての話を聞く機会がある。無料紹介所で働きながら深夜はバーを経営しているとか昼間は介護の仕事をしていて夜はラーメン屋でバイトしているなど。
繁華街の住人はたくましく収入源を増やすことに余念がない。
この記事へのコメントはありません。