社会から孤立して生きていった結果として訪れる孤独死。近年、増え続ける孤独死と特殊清掃業という職業について掘り下げてみる。
下流中年という言葉が登場
近年、経済的な貧困状態にある老人のことを「下流老人」といっています。当ブログの記事で柳沢みきお氏も老後破綻の危機でも書いたのですが全体の約四割の人が老後破綻する可能性があります。そのような中で「下流老人」ならぬ「下流中年」なる言葉が登場してきました。
それでは下流中年とは一体どのような人たちのことを意味するのでしょうか。
転職やリストラをきっかけに収入が激減。いきなり下流中年に
年収600万円程度の中年世代は数多いと思います。安定した収入を得ている「中流層」は都心部に住み会社の同僚や友達と繁華街に繰り出してお酒を呑みながらコミュニケーションをとる。決して、孤独でもなければ貧困層でもない。
そんな中流層も転職や突然のリストラなどで状況は一変します。私の知人は43歳で地元の中小企業に勤めていました。年収も600万円程度で社歴も長く地元の高校を卒業して就職してずっと勤めていました。
彼は独身で、私とも年に数回は呑むこともあり仕事のことや恋愛のことなどを話してコミュニケーションをとっていました。そのような中、彼の勤める会社の業績が急激に悪化してリストラにあってしまいます。
突然のリストラで転職せざるを得ない状況に
43歳からの転職は非常に厳しいのが現状です。失業保険が支給されている段階で転職を成功させなければ貯金を切り崩して生活していかなくてはなりません。彼からリストラの話を聞いた際に彼はこのように私に語ります。
「はやく転職しなければならないのは理解しているけど今回の転職は私にとって生涯最後になるかもしれない。だからこそどこでも良いという訳ではないんだよ」
言われてみると確かにその通りです。そんな彼も運よく再就職を成功させます。しかしながら年収は400万円台に落ちることとなります。年間200万円の減収は彼の生活スタイルを一変させるのに十分な金額です。
お金に余裕がないと友人たちとの付き合いもできない
彼は都心にワンルームマンションを借りていたのですが家賃が高額なために安い郊外に引っ越すことになりました。幸いにも再就職先の会社の近くに引っ越したので通勤は楽になります。しかしながら、これまで自宅に呼んだりしていた友人たちは遠方の彼の自宅に遊びに来なくなり、お金に余裕が無いのも手伝って休日は1人で自宅にて過ごすことが多くなっています。
このままいけば彼も孤独中年の道を歩むことになりますので早い段階で副業などを行い収入を増やす必要があります。幸いにも私の友人は週末起業のたこ焼き屋さんを見ているので自分でできる副業を探して休みの日などに副業に勤しんでいます。少しずつではありますが副収入も増えてきています。
しかしながら、ほとんどのリストラにあった独身中年は副業をすることもなく孤独中年から下流中年に。そして下流老人になり孤独死を迎えるといった人生を歩むことになります。
特殊清掃業とは
特殊清掃業(とくしゅせいそうぎょう)とは、清掃業の一形態である。一般には、Crime Scene Cleaners(事件現場清掃業)等とも呼ばれる清掃を指すことが多く、事件、事故、自殺等の変死現場や独居死、孤立死、孤独死により遺体の発見が遅れ、遺体の腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復や原状復旧業務を指す。
出典:ウィキペディア
つまり、孤独死した部屋の原状復帰を専門とする業者です。特殊清掃業の料金は数万円から数十万円ほど。主に大家さんからの依頼で原状復帰をするようです。
特殊清掃業が目にする凄惨な現場の数々
特殊清掃業が見た孤立死の実態 「世の中の無情さ垣間見える」という記事を読む限り、特殊清掃業の現場は凄惨なものです。「山積みのごみ袋から悪臭が漂い、布団は体液の跡で人型にくぼんでいた。」孤独死を遂げる人の多くは経済的に苦しくてやむなく独り暮らしをしている人たち。生活も苦しく、普段から掃除などをしていない人が多いとききます。ですので、現場ではゴミの処分からはじまり室内の消臭作業に至るまで作業内容は多岐にわたります。
大半の現場で、インスタント食品の容器などが入ったごみ袋が山積みになっている。
特殊清掃業に従事している人は往々にしてこのように語ります。貧困化すると食べ物もカップラーメンなどのインスタント食品が多くなるのでしょう。私なら粗食でも極力自炊をしていくと思いますが料理などができない中年は想像以上に多く存在します。
1人で孤独に体に悪い食事を続けていれば病気になります。当たり前のことですが彼等としては仕方がないのでしょう。転職やリストラをきっかけに「孤立化」した独身中年の多くはこのような孤独死を遂げる確率が極めて高いといえます。
社会との関わりを増やしていく必要がある
そのような孤独死を防ぐためには積極的に社会との関わりを増やしていく必要があります。しかしながら、経済的に苦しい立場にある孤独中年が新たな趣味や飲み会などに参加する余裕はありません。
ですから、やはり副業なんだと私は考えています。副業ならば損することはありませんし少なからず収入もあります。下流中年や孤独中年になったときには迷うことなく副業に精を出したほうが良いと思いますし、それ以外に下流老人にならない方法が思いつきません。
掃除・洗濯・自炊の大切さ
どれだけ苦しい状況でも掃除・洗濯・自炊を行うことによって精神的な安定を手にすることが可能です。これは実際に私も経験していることです。私はこれまで墜ちていく人間を数多く見てきましたが、その人たちの多くは掃除も、自炊もしていませんでした。
どれだけ仕事が忙しくとも掃除・洗濯はした方が絶対に良いと断言できます。仕事やビジネスがうまくいかない時期でも自分のホームベースである自宅の環境が良ければ立ち直ることができます。対照的に仕事がどれだけうまくいっていても掃除ができない人は落ちていく確率が高いと私は考えています。
孤独死を遂げている人達の圧倒的大多数は室内にゴミが散乱していて食事はインスタント食品かコンビニ弁当です。洗濯物もたまっていて下着なども着替える頻度は低かったのではないでしょうか。そうならないためにも日頃から掃除・洗濯・自炊を行う必要があります。
さいごに
これからの時代はまさにサバイバルです。どれだけ窮地に追い込まれても政府や会社は何もしてくれることはありません。全ての面で依存度を低くして自分の力で生き抜いて行くスタンスが必要です。
自己満足のためにお金を使うのではなく、人が喜ぶような使い方を心掛けて常に変化して進化していき「今を精一杯生きていく」ことが身を守ることに繋がります。私も仮に下流中年に転落したとしても掃除・洗濯・自炊を行い、なんとかして這い上がる覚悟です。
私のブログは暗い内容の記事が多いと思いますが、これは現実です。現実を受け入れて前向きに生きていくためのブログだと考えて書き続けています。当ブログを読まれた方に少しでもお役に立ててもらうことができれば幸いです。
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