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週末起業でたこ焼き屋

死につつある繁華街の現状

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2018年4月。繁華街は死につつある。

当ブログは2016年から続けている。記事数も約300近くある。その記事の中で「過去最悪の閑散期」といった内容の記事を書いているが年々ひどくなる閑散ぶりに、また飲食業の「悲惨な状況ぶり」を書くことになってしまっている。

この悲惨な状況を生み出している要因とは

飲食店の悲惨な状況というタイトルだが私のお店だけが悲惨なのであれば問題はない。もちろん、個人的には大問題なのだがそれは改善や改良と言った自助努力で克服可能な問題だから。しかしながら、実体はそうではない。私が生息する政令地方都市の繁華街の全体がそのような状況下に陥っている。

2018年3月は寒波がやってきた。だから、近隣の飲食店も暇な店が多かった。でも、これは「不可抗力」なので大多数の飲食店主が「こればかりは仕方がない」とお互い言い合って納得していた。そして、花見の季節に突入する。4月の第1週の週末などお花見をする人で桜が満開の河川敷が満員御礼となる。

「暖かくなったら繁華街にも人手が多くなるよ」

上記のキーワードは今年の初旬では耳にタコが出来るかと思うくらいに聞いていた。

しかし実際は違った。

4月に入り2週間以上も繁華街を歩く人は極めて少ない。これまでも平日に閑散としている繁華街を見てきた。しかしながら数週間もこのような状況が連続して続いたのは見たことがない。開業して約3年間でただの一度もない。さすがに数週間連続でこのような状況が続いていると、あちこちのお店で悲鳴が聞こえてくる。運転資金に行き詰るお店も続出といった状況だ。

不況は連鎖する

繁華街を構成しているのは飲食店・ホテル・コンビニ・サウナ・風俗店など様々な業態だ。飲食店が悲惨な状況だということは当然、その他の業態も大きな影響が出てくる。例えばバーやスナックなどの「夜のお店」も含まれる。私のお店に深夜帯によく来ていたホステスさんも姿を消している。「お店の帰りに何か食べて帰ろう」といった「ささやかな」彼女たちの楽しみも、ここまで深刻な状況だと我慢せざるを得ない。かくいう私も帰りにラーメンでも食べて帰ろうかと思わなくなった。今はとにかく節約なのだ。

このような状況の中、今月に入り私のお店の近所に24時間営業・365日定休日なしの居酒屋さんが出来た。新たにオープンと言うよりも単純に営業時間を長くしたといった感じだ。

今や巨大企業となったDMMの亀山会長も最初は飲食店からのスタートだった。亀山会長のコラムが掲載されているサイトで「飲食店の売上を伸ばすにはとにかく働くこと。営業時間を長くして長時間労働すればなんとかなる。」と書いている。

参考:文春オンライン

しかし、この亀山さんの言っている事は実体験に基づくからだろう、説得力がある。

人が中心にいる飲食店は、ぼろ儲けとはいかないまでも、やった分だけ商売繁盛できると思うよ。小規模でも独自の味やサービスで頑張れば、「食うか食われるかの世界」より「食わせるだけの世界」のほうが生き残り易いってことかな。

この文章の前座には今後の世界は人工知能やロボットが台頭して来るから「かなり知恵を絞らなければ厳しい」と書いてある。まさにその通りだと思う。2018年現在で活躍しているIT系の企業は今後の人工知能との戦いに備えなくてはならない。私はそのような終わりが無い世界から完全にアナログな飲食業へと転身した。私のような小規模な飲食店は亀山会長が書いているように「とっても美味しい料理」を真面目に作り提供していく以外に生き残る手段はないと確信している。

お金儲けが目的の飲食店は淘汰されていく

今後の飲食業界は「氷河期」とも言える状況が続いていくと推測される。ま、一時的に繁忙期があったにせよ中期的に見ていくとジリ貧な状況が続いていく。これは日銀の量的緩和を筆頭とした日本政府の方針なのたが当ブログでは政治的な事は書かないポリシーなので割愛したい。恐らく、「茹でガエル」のように少しずつスタグフレーションからハイパーインフレーションに移行していくのだろう。

そのような中で生き残る飲食店とはどのような店だろうか。太古の昔、氷河期の時代に真っ先に死滅したのはマンモスなどの身体が大きな動物だった。平和な時代には巨大な生物が食物連鎖の頂点に立っていたが氷河期になると小動物や昆虫など小さな生物が生き残っていった。

経済的な氷河期も同じことが言える。このような時代はとにかくランニングコストが低い小規模な店の中のほんの一部が生き残っていくのではないか。

企業が個人店舗を買収していく

ここまで厳しい状況が続くと小規模な飲食店は資金力が乏しい店が大半なので淘汰されていく運命にある。私の活動する繁華街でも同様の状況が目に見えてきた。料理の品質も高く、コンセプトも優れている飲食店を企業が買収していく。

その企業とは風俗関係の会社やキャバクラなどの「女の子のお店」を運営している会社が大半を占める。たった数年前までは全く逆の流れだった。飲食業で成功した経営者が風俗店などの「2件目の商売」を始める流れだった。

その時代から、たった数年で経済環境が激変。その流れが逆流を始めている。

当ブログ記事を書いているのは2018年4月26日。今日も引き続き繁華街は氷河期のような状況が続いている。この段階で当月にかかる費用を売上から捻出している(いわゆる自転車操業)お店は自身の生活費が捻出できない状況に追い込まれる。今日を含めて4月の残り営業日は4日程度。明日から、お店に入りきれないほどのお客様が押し寄せることは想像できないので今日の段階で終わり。

私のお店がある繁華街の雑居ビルでは、このような状況が続いていると「闇金」のチラシがポストに入ることとなる。彼等の「嗅覚」は鋭い。まるで野生動物のような嗅覚と行動力がある。

今月はアコムなどの消費者金融を利用する個人経営者も多いと思う。しかし、そのサラ金でさえ借入余力が無い人は「藁をもすがる気持ち」で闇金に手を出していく。高利の闇金などを利用した日から破滅のカウントダウンになる。

私のような飲食店なら少なからず来店数があるので状況はまだマシ。深刻なのはスタンドやラウンジをやっているママさん達だ。このようなお店の来店動機は必ず性欲も絡んでいる。人間の三大欲求である「睡眠欲・食欲・性欲」で言えば最後の欲望なのだ。食欲が満たされない状態で性欲には行かない。2018年4月は数多くのママさん達から悲痛な叫びを聞いている。

私のお店は深夜2時まで。閉店時間が1時くらいのスタンドのママさん達が数多く「アフター」と呼ばれるお店のお客様とラストの食事に来ていたが最近ではホステスさんやママさん達だけで来る。そして、その時に繰り広げられる話題は「このままだとヤバイ」といった深刻な内容だ。つまり経済は全て繋がっており、飲食業が不況ならば関係している全ての業種で不況の波がやってくると言った具合だ。

2018年5月はどうなるのだろうか

このような前代未聞の不況の波にさらされている飲食業界だが来月初旬にやってくるゴールデンウィークはどのような状況になるのだろうか。近隣の飲食店の予約状況などを勘案すると悲観的に捉えるしかない。ゴールデンウィーク直前で一時的に繁忙日があるかも知れない。しかしながら、それは4月のダメージを吸収できるほどのものではないと考えている。

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