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週末起業でたこ焼き屋

大企業は景気が良いのか

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政府は大企業の景況感について2期連続プラスになっているなどと言っているが果たして大企業の景気は良いのか。

政府と民間の温度差は大きい

内閣府と財務省は2015年12月10日に政府短観を発表しています。その短観によると大企業の全産業でプラス4.6と、2四半期連続のプラスとなったとしています。政府の楽観的な見解とはかけ離れた現状が私たちの目の前で繰り広げられています。

キリンホールディングスが上場来初の赤字転落

キリンホールディングスは2015年12月21日に2015年12月期の連結最終損益が560億円の赤字になるとの発表をしています。赤字の原因は子会社のブラジルキリンで2015年12月期に減損損失約1412億円が発生しており、その損失補てんが大きく影響しています。ブラジルといえばサッカーが有名な新興国ですが現在のブラジル経済は崩壊寸前のところまできています。ただでさえ悪化の一途をたどっていたブラジル経済にアメリカの利上げが重なりブラジルの通貨レアルは対ドルで売られ続けて通貨暴落といった事態に発展している国です。そんな国で日本のビールを販売展開するのは無謀としかいいようがありません。

日本マクドナルドホールディングスは株を売却される

日本マクドナルドホールディングスの実質親会社である米マクドナルドは約5割を保有している株式の売却を検討していると報道されています。中国産の原材料を大量に使い、低品質・低価格を推し進めて行った結果の結末です。さらに最近はマクドナルドといえば健康に悪いといったイメージまで定着しつつありますので、よほど抜本的な改革を断行しなければ復活することは困難だと思います。もちろん、これは日本マクドナルドだけで行うことは不可能でアメリカの米マクドナルドの改革によって初めて実現されること。復活の確率は極めて低いのではないでしょうか。

最悪の5500億円の赤字を計上する東芝

今年に入り不正会計問題が浮上して連日のようにニュースに取り上げられている東芝。その東芝が2015年12月21日に2016年3月期の業績予想が営業損失は3400億円、純損失は5500億円になると発表しました。同時に国内外で約1万人規模のリストラを断行するとしています。さらに東芝テックなどの子会社も売却し再建を目指すとのこと。巨大戦艦である東芝でもこのような状態が続くと倒産する可能性も出てきます。

共通点は海外企業の買収

最近の大企業における危機的な状況の多くは海外投資に原因があるケースが多いのが特徴です。住宅関連の大手企業であるLIXILは中国の投資に失敗し14年3月期~16年3月期に約660億円の特別損失を計上することに。その事態を受けて藤森義明社長兼最高経営責任者は2016年の6月に退任する結果となりました。

そのような状況の中で私が注目しているのがソフトバンクです。ソフトバンクは2013年に米国の携帯会社スプリントを1.8兆円で買収しています。天文学的な費用のかかるM&Aを実行した結果、有利子負債はは11.6兆円。ソフトバンクグループの総売上高8.6兆円ですので有利子負債はすでに50%前後となっています。

ソフトバンクが買収した時期のスプリント社は赤字続きの企業であり決して有望な会社ではありませんでした。ソフトバンクはこの赤字企業を多額の資金(借金)で買収し経営のテコ入れを行い業績のⅤ字回復を狙ったのです。しかしながらソフトバンクのIRを見る限り2013年に買収して以降スプリントの業績は改善されていないことがわかります。

表向き堅調なアメリカ経済ですが実際は格差の拡大や第二のサブプライムローンである自動車ローンという爆弾を抱えており、いつどうなるか解らない状態です。そのような経済環境の中でソフトバンクは2018年までにスプリントの業績を大幅に改善しなくてはならないのです。何故2018年なのかといいますと巨額な債務の返済や償還が2018年と2020年にやってくるからです。

ソフトバンクは巨額な資金を金融機関等から借りていますが、あまりに巨額な累積債務ということもあり最近では個人向けの社債で資金調達をしています。ソフトバンクの社債は金利が高いために大人気。毎年、発売時にあっというまに売り切れてしまいます。金利が高いということはリスクも伴うということになります。ソフトバンクの長期社債格付けはジャンク債レベルにまで落ちています。

スプリント社の経営状態は極めて深刻でソフトバンクが買収した2013年には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズがソフトバンクの長期債格付けを2段階引き下げてジャンク債の水準である「ダブルBプラス」としたとウォルストリート・ジャーナルが報道しています。

大波乱の2016年の世界経済の中でスプリント社という重荷を抱えたソフトバンクは奇跡でも起こらない限り大幅に業績が伸びることはないのではないかと私個人は考えています。もちろん、そのようなリスクが高い会社の社債はいくら金利が高くても購入しません。もし仮にソフトバンクが破綻するといったことになる場合、その社債の価値はゼロになるからです。

さいごに「借金は麻薬です」

私も零細企業の経営者として会社に借金があります。幸いにも債務超過ではありませんが少なからず有利子負債を抱えています。資金の使途は主に運転資金です。ここ数年は借入をしていないのですが過去には頻繁に借り入れを起こしていた時期もありました。融資が実行されて会社の口座残高が膨れると不思議な安堵感があったのを記憶しています。借りた直後は「とりあへず安心できる」と考えていたようです。しかしながら、借金は借金。利子を付けて返さなくてはならないお金であり、会社の口座に入ったといえど自分のお金ではありません。

借りては半分ほど返済してまた借りる。このような事を繰り返していけば近い将来には確実に債務超過となります。企業が急激に成長する段階での借金は良いと思いますが、その他のタイミングでの借金は大きな負荷になってきます。日銀の量的緩和も永遠に続けることはできません。近い将来、アメリカよろしく利上げが行われます。その時に債務超過になっていた場合、経営に金利が大きくのしかかることになります。経済氷河期が目前のいまは不必要なコストを徹底的に減らし可能な限り借金をしないことが賢明なのではないかと思います。

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