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自動運転タクシー

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ついに自動運転タクシーが試験運用を開始。これから「運転」という仕事は人工知能とロボットが担う時代が到来する。

2017年あたりから急速に発展・普及し始めた人工知能とロボット。ビジネス誌でも「10年後に無くなる職業」などという特集記事が散見されるようになってきた。今後、様々な分野で人工知能搭載のロボットが台頭してくるであろう事は容易に予想していたが、まさかここまで速く実用化に向けて進んでいたとは驚きだ。

産経新聞に自動運転タクシーを公開。公道での営業運転は世界初と言う記事を見て驚いた。タクシーやバスなどの職業運転手さんたちは近い将来ロボットに職を奪われるのではないかと考えていたが、まさかこんなに速く実現していたとは驚きだ。

この自動運転タクシーは東京都千代田区から東京都六本木までの約5.3キロを全自動で運行すると言うものだ。今回は万が一の事を考えて人間の運転手が運転席に座っていたみたいだが最後まで人間がハンドルやブレーキを操作することはなかった。

自動運転タクシーの実用化が急がれる理由は慢性的な人手不足にある。私の顧客の中にもタクシー会社の経営者がいるけれど人手不足が深刻だとぼやく事もしばしば。それもそのはずタクシー運転手の平均給与は年収で275万円。深夜・早朝の勤務があることを考えれば決して高い給料だとは言えない。

さらに、タクシー運転手の給与のほとんどは歩合制であり個人差がある。要領が良く顧客を大勢持っている運転手は短時間でノルマを達成する人もいるが、その逆は悲惨だ。さらに昨今の構造不況で私が生息する繁華街でも暇な平日ではタクシーが通りを長蛇の列で占拠しているような状況。これでは到底、魅力的な職業だとは言いがたい。このような背景でタクシー業界では慢性的な人手不足となっている。そこに登場したのが人工知能とロボットの技術だ。

もう数年で、いや、もしかしたら来年当たりから首都圏で実用化されるかも知れない自動タクシー。近未来の自動タクシーについて私のお店のお客様とタクシー運転手さんを対象に意識調査をしてみることにした。最近では節約のために歩いて帰っていたが自動運転タクシーの調査のためにしばらくはタクシーで帰ることに。

その結果、下記のような意見や認識があることが判った。

<タクシー運転手さんの認識>

・自動運転の本格導入はまだまだ先の話。自分が勤めている間は大丈夫。
・首都圏では早期の段階で導入されるかも知れないが地方都市はまだまだ先の話。危機感は感じていない。
・自動運転だと不安だという客が大勢いると思う。我々のような人間の運転手が消えることはない。

<一般消費者の認識>

・私のように夜のお店に勤めている人間にとっては嬉しい。近場に住んでいることもありワンメーターで運転手さんに嫌な顔をされないから。
・自動運転タクシーの普及の前に電子通貨の普及が先。現金での決済は出来ないでしょう?
・人間が運転しないというのはちょっと不安。追突などの予期せぬ危険に対してどう対処するのか。
・料金が安くなるのであれば大歓迎。あと、余計な話をしなくて良いので気を使わなくて良い。
・お酒を飲んで酔っ払った状態で乗車して家の目の前で熟睡していたら誰が起こしてくれるの?

上記のような意見や認識があることが判った。私が実際に聞いた中では「酔っ払って寝たらどうするのか」というのが自動運転タクシーのトラブルシューティングの中で最もしっくりときた。このような意見が聞けるのはまさに私のような「夜のお店」ならではだと笑ってしまった。

もしかしたら、自動運転タクシーは当初「お昼限定」となる可能性がある。深夜帯のタクシーに関してはこれまで通り人間が行わなくては無理があると感じた。さらに、現在のように「手を上げてタクシーを拾う」というのは恐らく無理だろう。スマートフォンのアプリで事前に決済手段も登録した上で近隣で流している無人タクシーを呼ぶといった形になるだろう。と、すれば高齢者が利用するのはまず無理だ。

まだまだ課題がある自動運転タクシーだが最終的には大多数のシェアを自動運転がとっていくのだろう。私が個人的に考えるのは自動運転タクシーよりも先に路線バスや路面電車のようなあらかじめ決まったルートを延々と走っていくような交通機関のほうが普及するのではないかということだ。既にJRでは列車の自動化が行われており人間によるミス(ヒューマンエラー)が発生しないようになっている。新幹線などは既に完全に近いほど自動運転化が進んでいると言われている。

近い将来、ワンメーターでも「お客様よろこんで」と言ってくれる自動タクシーに遭遇する日が来るだろう。

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