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週末起業でたこ焼き屋

飲食店経営はリスクが高い?

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最近、よく「趣味の飲食店経営は地獄をみる」だとか「素人が絶対に手を出してはならないのは飲食店経営だ」などのコラムや記事を目にするが果たしてそうなのだろうか?

インターネット上には飲食店経営はハイリスクだと指摘する記事が数多く存在する

私は飲食店を経営していることもあり「飲食店」というキーワードのニュースをグーグル検索しています。業界の動向や最新のビジネスモデルが掲載されていることもあり、ほぼ毎日のペースで検索しています。昨年2017年あたりまでは「明るいニュースや記事」が多数出てきていましたが今年に入りネガティブな記事が多く売上が悪い日など見ているだけで憂鬱になってきます。

2018年6月段階でグーグルのニュース検索で出てくる記事で私が読んだ記事は下記です。

上記の記事は農産物直売所を成功させた経営者が引退後にパン屋さんを開業。多額の初期投資と人件費などのランニングコストの捻出が出来ず、早朝から業務に当たらなくてはならないパン屋さんの為に慢性的な睡眠不足に陥り開業後わずか半年で自ら命を絶ったという内容です。

この記事で私が同感したのはノウハウ(経験)もないのに多額の初期投資をするのはリスクが高いという点と開業していないのにライバル店を意識している点でした。まさにそのとおりだと思います。

私も1店舗目のたこ焼き屋を開業する際に内装工事など一切せずに居抜きの物件を借りてスタートしました。雑居ビルの二階ということもあり同じような業態の同業種は存在しなかったのでライバルを意識するということはありませんでした。

ただ、2つだけ納得できない部分があります。それば「美味しいものを作ればお客様がたくさん来てくれるということはない」という部分と飲食業の経験が無い人が飲食店を開業することは無謀だという部分です。

1.「美味しいものを作ればお客様がたくさん来てくれるということはない」

私が実際に飲食店を経営していて強く感じることは「すごく美味しいものを作らなければお客様は来ない」ということです。もちろん立地は重要なポイントですが基本的に自宅では再現できないような「とびきり美味しい料理」を提供していかなければ話題にもならなければリピート率も低いまま。

今の時代、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSが台頭しているのでチラシやお店のホームページを作って宣伝や集客をするくらいなら材料費をかけて、とにかく「とびきり美味しい料理」を提供する方が結果が出ると私は確信しています。何の変哲もない料理を提供して必死に集客しても逆効果だと思います。

2.「飲食業の経験が無い人が飲食店を開業することは無謀だ」

これは私のことを全否定するような内容ですね(笑)でも、一般的にはそのとおりだと思います。しかしながら私は事実として飲食業の経験が全く無い状態で開業して四年目に突入しているので「一般的なケース」とは違ったのかも知れません。

もちろん、飲食店に従事した経験があるに越したことはないと思います。私が見てきた限り、飲食店での勤務経験を経て独立する人は特徴があります。全ての人がそうだとは限りませんがほとんどの人が下記の特徴がありました。

1.メニュー数が多い
2.内装工事に費用をかける
3.いきなり集客のために広告を出す

「え、それって当たり前のことなのでは?」そう思われるかも知れません。そう、「当たり前」なのです。つまり普通であり大多数のお店が行っている施策であり独自性に欠けると私は考えています。特徴がないということは競合他社が多いことを意味します。私のお店はスタンドの居抜きです。

飲食店としての雰囲気は極めて格好悪いと言っても過言ではありませんが運営していく上で何の問題もありません。むしろ、他店にはない雰囲気なので「特徴的」なのです。お客様は他店にはない料理や雰囲気を求めている部分があります。特徴的だからこそお客様はスマートフォンで写真を撮りSNSに投稿してくれます。つまり集客のための広告宣伝をお客様が積極的に行ってくれるのです。

また、私の店のようにメニューが限りなく少ない(1品のみ)店は専門店だとお客様は認識します。メニューの数が多ければ多いほど専門店からは遠ざかります。無理に専門店化する必要はないと思いますが私のような小さなお店の場合、専門店化しなければ集客が難しいのも現実です。広告宣伝費は限りなくゼロにして、食材費に注力する。私の戦略は今のところうまくいっています。

飲食業の開業はハイリスクなのか

答えは「イエス」です。特に昨今の構造不況化における飲食店経営は大変です。限られたお客様(パイ)を奪い合う争奪戦の様相を呈しています。ですので、数年前までの飲食店開業とは全くと言ってよいほど経営環境は厳しいものとなっています。しかしながら、順調に経営されているお店も存在しますので品質・戦略・独自性がうまくマッチすれば成功することも夢ではありません。

これは飲食業に限ったことではありませんが経営をしていくにあたって「心の余裕」はとても大切です。この場合の「心の余裕」とはズバリ運転資金のことです。たまに貯金も無いのに最初から全て借金で飲食店を開業する人を見かけますが、この場合いきなり自転車操業(売上から費用を支払う状態のことを意味します)からのスタートとなり月々の借入金返済も重なり精神的に非常に苦しい状況に陥りやすいです。

私の経験上、少なくとも1カ月分の総売り上げ額程度の運転資金を確保しておかなければ閑散期などの時期的な売上低迷期に資金ショートしてしまう危険性があります。そうなると誰もいない店内で1人お客様を待ち続けるストレスは多大なものとなり鬱病になる店主も実際に見てきました。お金の余裕はイコール心の余裕であり時間の余裕となります。

人工知能やロボットの時代に飲食業界の未来は明るいのか

そんな飲食業ですが人工知能やロボットが台頭してくる時代において明るい業界なのか。以下の記事では「これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開」というタイトルで近未来を「職種」という側面で分析しています。この記事によると創造性がある職種やホスピタリティーが必要とされる職種の給料は上がっていくと分析しています。

グーグルで「人工知能 飲食業」と検索してニュースタブを開いてみても人工知能やロボットの台頭によって飲食業が衰退していくと言った内容の記事は見受けられません。景気に左右されやすく労働集約型ビジネスである飲食業はIT業界などに比べるとはるかに原始的なビジネスですが、今後の世の中ではSEなどの職種より淘汰されにくい職種なのだと考えられます。

少なくとも私が生きている間は「食」に関する仕事は必ず「人」が介在していくと言って間違いありません。

世の中が人工知能によってスーパーハイテク化していくのなら私は逆行して原始的な仕事を積極的に行っていきます。その中でも現在営んでいる飲食業は不況の波には飲み込まれるかも知れませんが淘汰の波には飲み込まれることはありません。

グーグルが食べログを超える時が来る?

現在の飲食店経営において株式会社カカクコムが運営するグルメサイト「食べログ」の影響力はきわめて大きい。食べログは実際に行った事のあるユーザーがお店の雰囲気や料理の内容などの感想を書き込む飲食店に特化したグルメサイトです。お客様の生の声が掲載されているということもありユーザーからの信頼も高いのが特徴です。

その昔、食べログがなかった時代は「どこに、どのようなお店があるのか判らない」が常識でした。今でこそSNSで瞬時に拡散される口コミもお店を知っている人から実際に会って話を聞いて紹介されるというプロセスを経てゆっくりと拡散されていました。このような感じなので「どんなお店か一目瞭然」な有名チェーン店が飲食業界を席巻していました。

今は苦戦している大手居酒屋チェーンの「ワタミ」ですがコンビニのように「どこのお店でも同様の料理とサービスが提供される」という安心感から最盛期には莫大な売上を計上していました。今は食べログやSNSの普及によって行ったことがない小規模飲食店でも事前に口コミの情報をインターネットで収集した上で安心して行くことができます。

そんな飲食業界では多大な影響力がある食べログですが現在では実名で口コミを書き込むルールの実名型グルメサービスRettyなどの競合サイトとの熾烈なシェア争いを展開しています。

このような状況の中でインターネットの巨人グーグルが飲食店や美容院などの店舗を対象とした予約機能に注力しています。実際、数年前までは「店名」を検索すると食べログが上位表示されていましたが現在ではグーグルの店舗情報が最上位表示されるようになりました。しかもいつの間にやら口コミ機能まで実装されています。

アメリカサンフランシスコでは試験的に予約機能が運用されており好調な業績を出しているとのこと。

グーグルの予約機能が好調、検索は次世代へ ロイター通信

日本のグルメサイトもインターネットの巨人であるグーグルが本気を出してきたことによって苦戦を強いられるかも知れません。

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